AIでECの商品画像を作るようになって、商品ページ作りは大きく変わりました。
以前は素材を用意して、Canvaなどで文字を入れて、配置を調整して……と、時間がかかっていました。
今はChatGPTに画像の構成を相談したり、そのままAIで商品画像を作ったりできます。
画像によっては、短時間で形になります。できあがった画像も普通にきれいです。
最初は、
「これならECの商品画像作りがかなり楽になるかもしれない」
と思いました。
ただ、実際に仕事で使ってみると、大きな失敗もありました。
ターゲットとなるお客さんを細かく決めて、その人に合う商品画像をAIに作ってもらったのに、注文がまったく入りませんでした。
もちろん、売れ行きは画像だけで決まるものではありません。
ただ、あとで画像だけを作り直したところ状況が動いたので、画像に原因があったと考えています。
そこで今は、AIにいきなり商品画像を作らせるのではなく、**「その画像で何を伝えるのか」**を先に整理するようになりました。
この記事では、実際にAIでEC商品画像を作ってわかったことと、今使っている作り方を紹介します。
後半には、実際に使えるプロンプト例も載せます。
※この記事では、実際に扱っている商品が特定されないよう、商品内容を別の食品に置き換えて紹介しています。検証の流れや、実際に感じたことについては自分の経験をもとにしています。
最初は「ペルソナ通りの商品画像を作ればいい」と思っていた
AIで商品画像を作り始めたころ、強く意識していたのが「ペルソナ(想定している購入者像)」でした。
今回は例として、
「国産野菜を使ったポタージュスープ3種セット」
という商品で考えてみます。
想定している購入者は、こんな人です。
- 40代〜60代の女性
- 食品の原材料を気にする
- 国産原料に安心感を感じる
- 忙しいときでも簡単に食べられるものを探している
- 派手すぎるデザインより、落ち着いた雰囲気を好む
こういう人に売りたいのであれば、
「ナチュラルな雰囲気」
「やさしい色合い」
「安心感のあるデザイン」
にすればいい。
最初はかなり単純にそう考えていました。
AIに細かく指示すると、それらしいEC商品画像は作れる
実際にAIへ条件を細かく伝えると、それらしい商品画像を作ってくれます。
たとえば、
- 40代〜60代女性向け
- 自然でやさしい雰囲気
- 国産野菜の安心感が伝わるデザイン
- 派手すぎない
といった条件です。
こうした指示を入れると、ターゲットに合わせた雰囲気の画像が出てきます。

※実際の商品が特定されないよう、架空の商品を使って再現しています。
見た目もきれいです。
自分で見ても、
「これ、結構いいんじゃない?」
と思いました。
以前なら背景素材を探して、文字の配置を考えて、何度も調整していたところを、AIなら短時間で形にできます。
この部分は、今でも便利だと思っています。
ペルソナに合わせたのに、思ったように売れなかった
ところが、実際に商品ページで使ってみても、思ったような結果にはなりませんでした。
画像はきれい。
ペルソナにも合っている。
デザインもまとまっている。
それでも売れない。
実は、このときAIに出していた指示は、
「やさしい雰囲気」
「国産野菜の安心感が伝わるデザイン」
「派手すぎない」
といった、雰囲気の指定がほとんどでした。
「国産野菜使用」「温めるだけ」「3種類」
のうち、何を一番大きく見せるのかは決めていなかったのです。
その結果、できあがった画像は、
「感じは良いけれど、何が売りなのか分かりにくい」
ものになっていました。
そこで改めて商品画像について考えるようになりました。
自分が意識しすぎていたのは、
「誰に見せる画像なのか」
だったのだと思います。
もちろん、それも必要です。
ただ、ECの商品画像なら、それだけではなく、
- これは何の商品なのか
- 何が特徴なのか
- 他の商品と何が違うのか
- なぜこれを選ぶのか
といったことも伝えなければいけません。
今回のポタージュであれば、
「40代〜60代女性向けのナチュラルなデザイン」
だけでなく、
「国産野菜使用」
「温めるだけ」
「3種類楽しめる」
といった具体的な特徴があります。
最初のころはペルソナを考えることに意識が向きすぎて、**「この画像で何を伝えるのか」**の優先順位が下がっていました。
今はAIにいきなり商品画像を作らせない
この失敗をしてから、AIへの頼み方を変えました。
以前は比較的早い段階で、
「この商品に合う画像を作って」
と画像生成に進んでいました。
今は、まず**「この商品の一番の強みは何か」**を整理します。
僕の場合は、だいたい次の流れです。
- 商品情報をAIに渡す
- 想定している購入者(ペルソナ)を整理する
- 購入理由になりそうなポイントを整理する
- その画像で一番伝える内容を決める
- キャッチコピーを考える
- 商品画像の構成を決める
- AIで画像を生成する
- 実際の画像を見ながら修正する
- 商品ページに載せて、注文数などの数字を見る
AIでEC商品画像を作るというと、どうしても「画像生成」の部分に目が向きます。
でも実際に使ってみて、僕は画像を作る前の整理のほうが大事だと感じました。
プロンプト① 商品の強みをAIに整理してもらう
まず、商品の情報をChatGPTに渡します。
今回の例なら、こんな感じです。
楽天市場の商品画像を作りたいです。
商品:
国産野菜を使ったポタージュスープ 3種セット
商品の特徴:
・国産野菜を使用
・3種類の味が楽しめる
・温めるだけで食べられる
・朝食や軽食にも使いやすい
・常温保存可能
想定している購入者:
・40代〜60代の女性
・食品の原材料を気にする人
・国産原料に安心感を感じる人
・簡単に食べられる食品を探している人
この商品の購入理由になりそうなポイントを、
重要な順に整理してください。
画像はまだ作らず、
まず「何を伝えるべきか」だけ考えてください。
ここで個人的に大事だと思っているのが、
「画像はまだ作らず、何を伝えるべきか考えてください」
と入れることです。
いきなり画像生成に進まず、まず商品の強みを言葉にして整理します。
これをやっておくと、この後の構成も考えやすくなります。
プロンプト② EC商品画像1枚目の構成を考えてもらう
伝える内容が決まったら、商品画像の構成を考えてもらいます。
先ほど整理した商品の特徴をもとに、
楽天市場の商品画像1枚目の構成を考えてください。
目的は、
検索結果を見た人に
「何の商品なのか」
「どんな特徴があるのか」
を一瞬で伝えることです。
以下を提案してください。
・一番大きく見せる内容
・メインキャッチコピー
・補足として入れる情報
・商品の見せ方
・背景の雰囲気
・文字量
見た目のおしゃれさだけではなく、
購入理由が伝わることを優先してください。
ここでは、
「40代〜60代女性向けにしてください」
だけでは終わらせません。
この商品画像には何の役割があるのか。
そこまで伝えて構成を考えてもらいます。
プロンプト③ AIでEC商品画像を生成する
構成が決まったら、そこで初めて画像生成に進みます。
ECサイトの商品画像を作成してください。
商品は、
国産野菜を使ったポタージュスープ3種セットです。
ターゲット:
40代〜60代の女性
画像の目的:
「国産野菜を使っていること」と
「温めるだけで簡単に食べられること」
を一目で伝えること。
最も伝えたい特徴:
「国産野菜使用」
補足として伝えたい内容:
「温めるだけで簡単」
「3種類の味が楽しめる」
デザイン:
・明るく清潔感のある背景
・自然で温かみのある雰囲気
・派手すぎない
・商品を一番目立たせる
・スマートフォンでも見やすい
・ECの商品画像として情報が伝わりやすい構成
文字を詰め込みすぎないでください。
添付した商品写真のパッケージの形や色、
デザインは変更しないでください。
最初に商品の強みと画像の役割を決めているので、単純に
「いい感じの商品画像を作って」
と頼むよりも、修正するポイントが分かりやすくなります。
画像を作るときの注意点
実際にAIでEC商品画像を作るときは、いくつか気をつけています。
商品写真は一緒に添付する
言葉だけで商品を説明すると、AIが勝手にパッケージの形や色を変えてしまうことがあります。
そのため、実際の商品画像を使う場合は、元の商品写真を一緒に添付して、
「この商品を変更しないでください」
と伝えています。
画像の中の日本語は必ず確認する
AIは日本語の文字が崩れることがあります。
一見すると読めそうでも、よく見ると文字が違っていることもあります。
うまく直らないときは、AIには背景や構成だけ作ってもらい、文字はCanvaで入れることもあります。
モールの画像ルールを先に確認する
楽天市場やAmazonなどでは、商品画像にそれぞれルールがあります。
特に1枚目の画像は、背景や文字量などにルールがある場合があります。
せっかく作っても使えなければ意味がないので、画像を作る前に最新のルールを確認するようにしています。
作り方を変えたあと、どうなったか

※実際の商品が特定されないよう、架空の商品を使って再現しています。
ここまでの流れで商品画像を作り直したところ、それまで注文が0件だった商品に、1か月で15件ほど注文が入るようになりました。
変えたのは商品画像だけです。
商品そのものも、商品ページのほかの部分も変えていません。
広告についても、楽天のRPP広告(検索に連動して表示される広告)のキーワード設定は前と同じです。
数としては大きくありません。
ただ、ずっと0件だった商品が、画像を変えたあとに動きました。
もちろん、1商品を1か月試しただけなので、どの商品でも同じような結果になるとは限りません。
季節や競合、検索順位など、ほかの要因が影響している可能性もあります。
それでも僕自身は、「何を伝える画像なのか」を決めてから作ることには意味があると感じました。
AIの商品画像は、一発で完成させず、別案を試しながら直す
AIで画像を作っていると、
「もっと詳しいプロンプトを書けば、一発で完璧な画像が出るのでは」
と思うことがあります。
でも、僕の場合は一回で完成することはほとんどありません。
実際に出てきた画像を見ると、
「商品をもう少し大きくしたい」
「背景が目立ちすぎる」
「文字が多い」
「もっとシンプルでいい」
といった部分が出てきます。
そんなときは、最初から作り直すのではなく、そのまま修正を頼みます。
全体的にはこの方向で大丈夫です。
次の点だけ修正してください。
・商品をもう少し大きくする
・背景の装飾を減らす
・「国産野菜使用」を一番目立たせる
・補足文字を小さくする
・高級感より親しみやすさを優先する
それ以外のレイアウトは大きく変更しないでください。
僕の場合は、AIに完成品を一発で作らせるというより、出てきた画像を見ながら一緒に直していくという使い方のほうが近いです。
「ナチュラルな雰囲気」で微妙だったら、
「もっとシンプルに」
それでも違えば、
「商品を大きくして、文字を減らして」
と、別の方向をすぐ試せます。
以前は一つずつ作り直していたので、この試しやすさは助かっています。
一人で仕事をしていると、商品画像だけにずっと時間をかけるわけにもいきません。
「きれい」と「伝わる」は別だった
今回の失敗で一番感じたのは、見た目がきれいな商品画像と、購入理由が伝わる画像は同じではないということです。
ペルソナは今も考えています。
ただ、今は、
「誰に見せるのか」
と
「何を伝えるのか」
をセットで考えるようにしています。
AIも今まで通り使っています。
商品の強みの整理、キャッチコピー、構成、背景のアイデア出し、画像の生成と修正まで頼んでいます。
以前と違うのは、AIにいきなり完成品を求めなくなったことです。
商品のことは自分で考えて、AIに整理や画像作りを手伝ってもらう。
今のところ、僕にはこの使い方が一番合っています。
まとめ|AIでEC商品画像を作るなら、先に「何を伝えるか」を決める
AIを使うことで、ECの商品画像は以前よりかなり作りやすくなりました。
短時間で形にできますし、別案も試しやすくなります。
一人で仕事をしていると、このスピード感はかなり助かります。
ただ、実際に使ってみて感じたのは、
きれいな商品画像ができることと、商品の良さが伝わることは別
だということでした。
今は、ペルソナだけを考えるのではなく、
- 誰に見せるのか
- この画像で何を伝えるのか
をセットで考えています。
AIでEC商品画像を作るときも、いきなり画像生成を始めるのではなく、
- 商品の強みを整理する
- 購入理由を整理する
- 画像で一番伝える内容を決める
- 構成を考える
- AIで画像を作る
- 出てきた画像を見ながら修正する
- 実際の商品ページで反応を見る
という流れで進めています。
AIに全部任せるというより、
商品画像を考えるための相棒として使う
くらいが、今の僕にはちょうどいいです。
AIでEC商品画像を作ってみたい人は、最初に
「どんな雰囲気にするか」
ではなく、
「この画像で何を伝えたいのか」
から考えてみると、かなり作りやすくなると思います。

